小日向の徒然録

主にTCGをはじめとした著者の趣味についてきままに書きます

遊戯王構築記事番外編~英語版カードの読み方講座①~

kohinatashです。

 

今回の記事は、デッキ構築の記事ではなく最近私がハマっている英語版カードについてまとめていきたいと思います。

 

遊戯王の公式大会で多言語カードが使用不可になって久しく、取り扱っている店舗も数を減らしました。

 

しかし、多言語のカードには日本語版にはないレアリティが存在するカードが多く俗にいう米シク(アメリカ版シークレットレア)は光り方がきれいで中には希少価値の高いものもありコレクションはもちろん、カジュアルでのプレイ用で集めている方も多く私もその1人です。

 

また最近は海外のTCG環境で登場した新規カードがTwitter上で公開されるなど自分が使っていなくてもネット上で英語版のカードを目にする機会はそれなりにあるのではないでしょうか。公開されて早く誰か訳してほしいとまとめサイトの更新を待っていた方も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は英語版のカードのテキストを読むための簡単なポイントをまとめることにしました。英語といっても使われている単語は決まっているため、慣れていけば初めて見るカードでもある程度のテキストは理解できるようになると思います。

 

それでは実際のカードを例に挙げつつまとめていきたいと思います。

 

例1:ドラゴンメイド・ハスキー

 

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融合・効果モンスター
星9/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2000
「ドラゴンメイド」モンスター+ドラゴン族モンスター
(1):自分・相手のスタンバイフェイズに、
このカード以外の自分フィールドの「ドラゴンメイド」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターよりレベルが1つ高い、またはレベルが1つ低い
「ドラゴンメイド」モンスター1体を自分の手札・墓地から選んで守備表示で特殊召喚する。
(2):このカード以外の自分フィールドの表側表示のドラゴン族モンスターが自分の手札に戻った時、
相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊する。

 

最近新規が出たドラゴンメイドの融合モンスター、『ドラゴンメイド・ハスキー』です。

 

日本語のテキストと並べると結構分かりやすいと思います。

 

ではカードの上から単語で分けて説明していきたいと思います。

 

light 光属性

モンスターの属性(Attribute)を表します。

他は

炎属性:Fire

水属性:Water

地属性:Earth

風属性:Wind

闇属性:Dark

神属性:Divine

となっています。

 

DRAGON ドラゴン族

モンスターの種族(Type)を表します。

基本的には、戦士族はwarrior、アンデット族はzombiなどカードを見ればなんとなくわかるものが多いのでここでは分かりづらいものを挙げようと思います。

 

海外では宗教上の理由から天使(angel)、悪魔(demon)、という表現を用いることができないため天使Fairy悪魔Fiendという表現になっています。

 

また比較的新しく登場した幻竜族はwyrmという表記になっており、パッと見でわかりづらいと個人的に思ったため挙げておきます。

 

 

FUSION 融合モンスター

ここはそのモンスターが何なのかを表していて、儀式モンスターはRITUAL、シンクロモンスターであればSYNCHRO、エクシーズならXYZ、ペンデュラムならpendulum、リンクモンスターならLINKというように記載されています。またTUNER(チューナー)などの表記もこの部分になります。

 

EFFECT 効果モンスター

効果モンスターにはこのEFFECTという記載があります。通常モンスターはNORMALと書かれています。

 

本文

Once per turn  1ターンに1度

このテキストで1ターンに1度ということを表しています。名称指定がついている場合はテキストの最後尾にYou can only use this effect of "カード名" once per turn というように記載されておりこれによって名称指定なのかどうか判断できます。

 

during the Standby Phase スタンバイフェイズ中

効果の発動ができるタイミングです。

青文字のduringは「~の間」、つまりそのフェイズ中に発動できるというテキストになていてメインフェイズに発動できる効果ならduring the Mein Phase となります。

 

赤文字で記したコロンによってチェーンブロックを組んで発動する効果だと分かります。英語版ではコロンの有無でチェーンブロックを作るかどうか判断できるテキスト構成になっています。

 

逆に発動しない(チェーンブロックを組まない)効果については「:(コロン)」が無い為、これらの区別はしっかりできるようになっています。

例文:ダイナレスラー・パンクラトプス

If your opponent controls more monsters than you do, you can Special Summon this card (from your hand).

①:相手フィールドのモンスターの数が自分フィールドのモンスターより多い場合、このカードは手札から特殊召喚できる。

 

You can taget Ⅰ other "Dragonmaid "monster you contorol

 

・「can」は「~できる」つまりこの効果が任意効果であることを表しています。

 

・「other」は自身以外のという意味です。ハスキーの場合は自分の場に他のハスキーが存在する場合はそのハスキーを対象に取ることができますが、できないカードである場合はテキストの最後にexpect(~を除く)"カード名”という記述があります。

例文:ドラゴンメイド・パルラ

~You can send Ⅰ "Dragonmaid" card from your deck to the GY, expect "Parlor Dragonmaid".

targetは対象をとって発動する効果だという意味で、この記述の有無で対象をとるか否かの判断ができます。

 

「you control」は自身がコントロールしているカードということです。逆に相手がコントロールしているカードを表すときは「相手」を表す「opponent」がテキストに書かれ、「your opponent control」、つまり「あなたの相手がコントロールしているカード」となります。

 

Special Summon Ⅰ "Dragonmaid"monster from your hand or GY in Defense Position,

whose Level is Ⅰ higher or Ⅰ lower than it.

赤文字で記したSpecial Summon特殊召喚を表しています。「summon」は召喚を表しており、通常召喚であればNormal summon、反転召喚ならFlip Summmonと書かれています。

 

例えば召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる効果をもつモンスターであった場合は「If this card is Summoned」という記述になっており「Summoned」

召喚・反転召喚・特殊召喚を表しています。

 

・「from your hand or GY

これはあなたの手札か墓地からということです。「from」は「~から」、「hand」

は手札、「GY」はGrave yard の略語で墓地を表しています。

 

これによってどこから特殊召喚するのかが分かります。

 

・「in Defense Position」

「守備表示で」ということを表しています。攻撃表示の場合は「Atack Position」となります。

遊戯王は基本的に裏側守備表示での特殊召喚はできないためハスキーの場合は「Defense Position」となっていますが、表側守備を表すときは「face-up defense position」、裏側守備を表すときは「face-down defense position」という表記になります。

 

・「whose Level is Ⅰ higher or Ⅰ lower than it.」

「whose Level is」が higherlowerにかかっており、higherは「高い」、lowerは「低い」という意味になっています。

 

この文の「whose ~is ~er than ~」という形は関係代名詞になっていて最後のiが前文で対象にとったカードを示しており、文全体では「そのカードよりレベルが高い、または低いカード」ということになります。

 

When another face-up Dragon monster(s) you control returns to youe hand(expect during Damege Step):

You can target Ⅰ monster your opponent controls;destroy it.

 

赤文字で記した「When」「時」の効果であることを表しています。

このテキストはで示した「can」に「when」がかかっています。

「can」任意効果を表しているので、この効果が「時の任意効果」であることを示しています。

 

逆に「場合」の効果であるときは「If」が用いられます。

例文:ドラゴンメイド・ラドリー

If this card is Nomal or Special summoned : You can send the top 3 cards of your deck to the GY.

発動するタイミングはanother(他の) face-up Dragon monster(s) (表側表示のドラゴン族モンスター)you control returns to youe hand(手札に戻った)と書かれています。

またその後ろに青文字(expect during Damege Step):

expectは「~を除く」、duringは「~の間」、「Damege Step」は文字通りダメージステップなので、テキストをまとめると「他の表側表示のドラゴン族モンスターが手札に戻った時、ただしダメージステップ中を除く」という感じになります。

 

英語版ではダメージステップに発動できない誘発効果についてはこのような記載がされています。

 

・You can target Ⅰ monster your opponent controls;destroy it.

緑文字の「destroy」は破壊を表しています。

 

例えば除外であればbanish,相手の手札(デッキ)に戻すであればreturn it to your opponent hand(deck)

という表現になっています。

 

このテキストはYou can target(対象をとって) Ⅰ monster your opponent controls(相手のモンスター);destroy(破壊) it(対象のモンスター).

となっています。

またセミコロンがあることから発動する(チェーンブロックを組む)効果であることが分かります。

 

ここまでのテキストをまとめて、「他の表側表示のドラゴン族モンスターが手札に戻った時(ただしダメージステップ中を除く)、相手のモンスターを対象に取って発動できる。そのモンスターを破壊する。」となります。

 

例2:召命の神弓-アポロウーサ

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リンク・効果モンスター
リンク4/風属性/天使族/攻 ?
【リンクマーカー:上/左下/下/右下】
トークン以外のカード名が異なるモンスター2体以上
(1):「召命の神弓-アポロウーサ」は自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。
(2):このカードの元々の攻撃力は、このカードのリンク素材としたモンスターの数×800になる。
(3):相手がモンスターの効果を発動した時に発動できる。
このカードの攻撃力を800ダウンし、その発動を無効にする。

 

種族や属性に関してはハスキーの項で説明したので割愛して本文から解説していきたいと思います。

 

・You can only control Ⅰ "Apollousa, Bow of the Goddess".

「only control Ⅰ」は「1体のみコントロール」、つまりアポロウ―サは自分の場に1体しか存在できないということを表しています。

 

 

・The original ATK this card becomes 800 x the number of Link Materials used for its Link summon.

 

赤文字で記したoriginalは「元来の~」つまり元々のということを示しています。この後に攻撃力を表すATKが続いているのでこの部分は「元々の攻撃力」ということになります。

「original」は元々のステータスを表す表現として使われています。

 

青文字で示した800 x the number of Link Materials used for its Link summonはリン召喚時にリンク素材にしたモンスターの数×800ポイントになるという意味になります。

 

「number of ~」は数を表していて後ろの「Link Materials」にかかっていて「Material」は素材を表すのでリンク素材を示していることになります。

これが融合素材なら「Fusion Materials」、エクシーズ素材なら「Xyz Materials」となります。

 

「used for~」は「~に使われた」となるので「its Link summon」(このリンク召喚)つまりアポロウ―サの素材に使われたリンク素材の数ということになります。

 

Once per Chain,when your opponent activates a monster effect(Quick Effect);You can make this card lose exactry 800 ATK,and if you do,negate the activation.

 

赤文字で記したOnce per Chainは「同一チェーン上では1度しか発動できない」ということを表しています。「once per」は「1度限り」という意味で、「Chain」は文字通りチェーン、つまりチェーンブロックのことなので上記の訳になります。この効果自体はあまり目にすることが多くないですが「once per」は名称指定を表す用語として必ず出てきますし先日公開された「魔妖」の新規罠にも同じテキストがあるので覚えておいていいと思います。

 

青文字Quick Effect超重要です。個人的に日本語版よりも英語版の方がテキストが分かりやすいと思っている理由の1つでこのテキストは誘発即時効果、いわゆる相手ターンでも発動できる効果についているテキストです。

 

あの有名な「灰流うらら」にもついているテキストでこれによってその効果が誘発即時効果であることが判断できます。

 

これさえ覚えておけばとりあえず相手のターンで発動できる効果かどうかはだいたい分かります。

 

で示したnegate the activationもよく出ます。negate that effect という形で出てくることもありますね。

 

まずnegateですがこれは無効という意味で、色々なカードに使われている表現です。

では「何を」無効にするのか見ていきます。これは後ろの表現を確認する必要があります。今回の例の「the activation」、元の単語の「activate」は遊戯王では発動を指しているので「その発動」ということになります。つまり「その発動を無効にする」というテキストになるわけです。

 

「that effect」の場合は今度は「効果」を表す「effect」が使われているので、全体として「その効果を無効にする」というテキストになります。

 

今回のアポロウーサは無効にするだけですが「神の通告」のように「無効にして破壊する」場合には「and if you do,destroy that card」、直訳すると「and if you do(そしてあなたがもしそうした(do=negate the activation)なら,destroy that card(そのカードを破壊する)」といった感じになります。

 

以上2種類のカードを例に英語版カードの読み方をまとめてみました。何分カードの種類が多く、書ききれていないことが多いため定期的に更新していけたらと思っています。

 

これを読んで英語版に興味を持った、テキストが理解できるようになったと思ってもらえたらうれしいです。

 

それではまた。